ライトノベル 銀盤カレイドスコープ Vol.4 レビュー

タイトル 銀盤カレイドスコープ vol.4 リトル・プログラム
著者 海原零
イラスト 鈴平ひろ
出版 スーパーダッシュ
発売日 2005年2月


執筆者:jade 評価:
今回の主役は桜野タズサではなく、その妹のヨーコ。偉大な姉と比較され続けてきたことで、劣等感に苛まれフィギュアの楽しさを見失った姿を描いています。
スポーツ物においては常道と言えるストーリーですね。このような王道的な話では設定がありきたりであるがゆえに著者の筆力が問われ、中途半端な作家では駄作に成り下がってしまうもの。しかしながら、この作品は文句の付けようが無い出来に仕上がっています。特に演技のシーンでは著者の才能が行かんなく発揮されており、さすがは海原零だと唸らされました。

1,2巻でのピートとの関係が綺麗すぎたため、タズサとオスカーの恋愛が蛇足だったと非難轟々だった前巻に対して、今回はヨーコを主役に持ってくることによって恋愛を絡めることを可能にするとともに物語にまた違った魅力を吹き込んでいます。
また、作中でヨーコにタズサが恋愛観を語るシーンがあるのですが、これを聞くと前巻でのオスカーとの恋愛も必要だったと思えてきます。

こうした妹への助言や後進への指導を見ればわかるように、今回のタズサのポジションは面倒見のいいお姉さん。この巻だけ読んだら容姿端麗の上、性格も良い完璧超人だと勘違いしてしまいそうですね。今回を見る限り、もしかしたらタズサは内面をさらけ出すことが少ない脇役の方が生きるような気がします。実際ヨーコ以上に印象に残る言動が多かったですからね。
特に高島夫妻を離婚寸前(笑)まで追い込んだこの発言。
タズサ「ねえコーチ。ひょっとして……まだ私のことを?」
これをきっかけに勃発した修羅場シーンで何度笑い転げたことか!まさか銀カレで爆笑する日が来るとは思いませんでしたよ!(笑
また、この修羅場を尻目に一人妄想をしているタズサの天然っぷりがカワイイの何の!ホント今回のタズサはいいキャラしてますよ(笑

今回も笑いあり涙ありの王道的スポ根恋愛小説だったわけですが、恋愛・競技・笑いのすべて要素において満足の行く内容でした。あまりにも私好みの展開だったので何度も転げ回る羽目になりましたからね(苦笑
今回でますますこのシリーズが好きになりましたよ。今から5巻の発売が楽しみで仕方ありません♪


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